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2023.07.13

【キタコレ!】伊藤桃連載vol.39 6つの乗り物で北アルプスを堪能!「立山黒部アルペンルート」

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澄んだ碧い湖、そして白く雪化粧のされた山々。まるで海外のようですが…これ、日本なのです!!

今回ご紹介するのは、富山と長野を結ぶ山岳ルート「立山黒部アルペンルート」。標高3000m級の北アルプスの山々を、6つもの乗り物を乗り継いで進みます。そのエリアのほぼ全区間が中部山岳国立公園。美しいダム湖と北アルプスの山々を乗り物で気軽に、なんと東京から日帰りで楽しむことも出来ます。

旅の始まりは、長野駅から。富山からもいけますが、東京からは長野駅がより近いので、こちらにしました。長野駅からアルペンルートの入り口である扇沢まで、特急バスも出ています。インバウンド需要が多い観光地でもあるため、列に並んでいる方は海外の方ばかり!案内のおじさまも英語ペラペラでびっくりしました。

様々な乗り物を乗り継ぐアルペンルートですが、まるっとすべてが1枚になった切符も販売されています。こちらは事前にwebで購入することもでき、並ぶ手間が省けるのでおススメ。その際、この特急バスの乗車券もオプションで合わせて購入できます。扇沢から電鉄富山までは12,170円、特急バスは3,100円でした。扇沢駅にて、QRコードで発券できます。

8:15に長野駅をでたバスは1時間45分の旅を経て、扇沢駅に到着しました。今からまさにアルペンルートへ向かう人でごった返す中、画面をみてびっくり。

え?2.9℃…?

訪れたのは、まるで夏のように暑い日もある5月の下旬…にも関わらずこの気温。長袖にこそしましたが、下はショートパンツできてしまった伊藤、山をなめてはいけないと深く反省しました。

さてはて、1つ目の乗り物は「関電トンネル電気バス」。

こちらはガスではなく電気で走るバスです。

バスが走るのはかつてダム建設のためにつくられた旧大町トンネル。

大変な難工事の末に作られたトンネルで、山の反対側にある黒部ダム駅に抜けました。

そして、トンネルの先には美しいダム湖が!黒部ダムです。標高1,470mと扇沢とほとんど変わらない高さですが、そこには絶景が広がっていました。5月はまだ実施していませんでしたが、現在は毎秒10トン以上の放水も見られます。

展望デッキもあり、そちらでは湧き水を飲むことも出ました。先ほど通ってきた大町トンネル工事の難所・破砕帯からの湧き水です。冷たい湧き水と軟弱な地層で苦労した箇所ですが、今では逆にその恩恵に授かれます。ドラマ化もされており、その工事にまつわる展示スペースもありました。

今はただ美しいダム湖を散策しつつ、次の乗り物の駅へ。売店や食堂、そしてダム湖の観覧船もありますが、まっすぐ行くと15分ほどで到着します。

重厚な石造りの建物の中には…。

昭和レトロな駅がありました。

この駅からは、ケーブルカーに乗車します。

多くの観光客でにぎわう中、出発進行!

わずか5分で約400m近くも高いところへと向かいます。

標高1828mの黒部平駅の展望デッキに出ると、また別な世界が広がっていました。5月末にこんなに間近に雪景色がみられるなんて…。標高3015mの立山が目の前にそびえたっていました。

大自然を満喫しつつも、設備に事欠かないのがアルペンルート人気の理由の1つ。黒部平駅では、地酒がずらりと並ぶ売店のほかに、簡単なフードコートもありました。

いただいたのは黒部の美味しい湧き水で淹れたコーヒー。絶景を見ながらの一服は、たまりません。

さらに高く、高く。

お次はロープウェイに乗車して、真下に広がる大自然を堪能しつつ大観峰へ。

5月末にもかからず3℃という気温だった大観峰。駅にはこんな雪のトンネルもありびっくり。

標高2300m以上もある大観峰では、海抜0mに対し、気温も約14℃低く…。

酸素濃度も約70%しかないのです。

「通常の2倍疲れる」、理由はまさにそこ。

しかし、階段を上った先にはまさに絶景が広がっていました。

エメラルド色の黒部湖と、立山連峰の山々。

見慣れた日本の山景色には収まらない、筆舌しがたい美しさです。

お次の乗り物は、トロリーバス。こちらは、なんと日本で唯一ここだけで走る乗り物です。関電バスと同じく電気で走るバスですが、その特徴は車体の上にある“架線”。電車のように、架線から電力を得て走っています。貴重な車両ゆえ、部品をそろえることが難しく2025年にも廃車になってしまうかもしれない“電車”に乗ることが出来ました。

まるでSFの1シーンのようですが、これは立山トンネルの中。青いライトの部分は、難工事だった破砕帯部分です。多くの方の尽力あって、今このように通行ができていることを改めて実感しました。

10分の旅を経てたどり着いたのは、立山室堂。標高2450mのアルペンルートの最高峰です。

時刻は13時過ぎ、まずはここでお昼休憩をすることにしました。この室堂には、売店やレストランそして宿泊もできるホテル立山があります。

私が昼食に訪れたのは、ホテル立山の中にある「ティーラウンジ りんどう」。クラシックで落ち着いたレトロな雰囲気がたまらない喫茶店でいただく、アルペンカレーは最高!富山県産コシヒカリ米と牛肉を使っており、富山の味を十分に味わえます。

登山帰りの方々も、ここで休息をとっていました。

そして、2023年度は6/25まで終了してしまいましたが、訪れた時には“雪の大谷”というイベントが開催されていました。

人と比べると、雪壁の高さがわかるでしょうか。重ね重ね、コレ、5月下旬です。冬期は閉鎖されているアルペンルート、その開通に伴い除雪をした際にできるのがこの“雪の大谷”。高いところでなんと20mにもなるそう。気温に反して日差しは温かいので、ポカポカとした陽気の中、圧巻の雪景色を楽しめました。

さぁ、ついにここからは下山です。

標高2450mから一気に977mの美女平へ、バスで下っていきます。

まるで冬から春に旅するように、一気に景色が変わっていきます。乗車時間は50分と比較的長めですが、変わりゆく車窓を見ているとあっという間でした。この区間にも停車所はありますが、なんと降りることはできれども、再度乗るには予約が必要ということで、秘境感も味わえます。

最後、美女平から乗車するのはケーブルカー。たった7分で標高977mから475mへ、一気に500mもくだります。

そして数々の乗り物を乗り継ぎ、着いたのは…

まさに、夏でした。強い日差しの中、富山側の終点、立山駅に到着です。ここから富山駅までは富山地方鉄道で65分。新幹線を使用すれば、東京まで日帰りも可能です。

先人たちの技術と努力により、こうして気軽に北アルプスの山々を堪能できるアルペンルート。あつーい夏を涼しく過ごせる山の上へ、旅に出てみてはいかがでしょうか。

今回の探索人

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